新型コロナウイルス感染症が、妊婦が罹患した場合の予後は重篤化することが多く、また胎児、新生児への影響は判っておりません。

感染への不安を訴える妊婦様が多く、当院では2020年9月1日より、当院で妊婦健診中の方を対象に36週~37週時と入院時のよる新型コロナウイルスPCR検査を始めています。
陰性を確認後、安心してお産にのぞんでいただければと思います。

1)36-37週時のPCR検査(RT-PCR法)

検査方法
当院でのNST試行中に唾液を提出していただきます。
検査対象:当院出産予定の妊娠36~38週の妊婦
(発熱などの感染を疑う症状がない妊婦の方)

2-1)入院時(陣痛発来時)の迅速PCR検査(等温核酸増幅法:NEAR法)

検査方法
鼻咽頭の粘液を採取し、Abbott社のID NOWにて検査を行います。(院内で採取し30分ほどで検査が終わります)
検査対象
当院に入院するタイミング
・陣痛が来た場合
・破水した場合
・予定の入院の場合
・その他の入院の場合

注意:検査時間は短くPT-PCRと同程度の高精度な検査ですが、機械の性能上1回につき1人までしか検査ができません。入院が重なった場合は前の方の検査終了までお待たせすることがあります。

2-2)夫立ち会いについての迅速PCR法(等温核酸増幅法:NEAR法)

出産予定の妊婦様と同様に迅速PCR検査(等温核酸増幅法:NEAR法)を受けていただいてから院内に入っていただきます。
注意:妊婦様の検査が優先になります。入院が重なって後から妊婦様が来院された場合順番を入れ替え妊婦様の検査を先にさせて頂きます(状況によりますが1~2時間の順番待ちをすることがあります)


陽性反応が出た場合

保健所と連携し対応いたします。
1)妊娠中に陽性となり、その後に陰性化した場合は症状消失後4週間たったのち当院でPCRを行っていただき、陰性化確認後より通常の管理になります。
2)妊娠中に陽性となり陰性化前に分娩に至る場合は、新型コロナ対応ができる施設に転院搬送となり、分娩方法は帝王切開などに変更が必要になる場合があります
3)入院時のPCRで陽性になった場合は、保健所と協議します。

2021年8月現在、保健所が新型コロナ感染症の対応で、すでに能力を超えた対応に追われており、迅速に転院搬送することは極めて困難です。
すでに陣痛が来ている状態でPCRが陽性になると、保健所で対応できず出産にいたるケースがあります。その場合でも出産後に転院搬送を行います。新生児の搬送も必要ですが、同じ病院に搬送できるとは限りません。
また使用したLDRの消毒費用(作業料金)は頂いていませんが、防護服やマスクなど使用した物品代は自費でいただいております。
くれぐれも妊娠中に新型コロナにかからないように注意してください。